世界最大の時計ブランドであるロレックスが大手時計流通会社ブヘラー(Bucherer)を買収しました。これにより約100年間公認ディーラー関係を維持してきたロレックスとブヘラーのパートナーシップはさらに密接になりました。ロレックスはブヘラーが独立して運営されると発表しましたが、市場にどのような変化をもたらすのか注目が集まっています。
このニュースに関連して注目すべき観点をいくつかまとめました。

Bucherer Berlin / ⓒ Watchtime

Tourneau TimeMachine, Bucherer New York / ⓒ Bucherer
アメリカとヨーロッパの時計業界で強い影響力を持つブヘラー。ブヘラーはヨーロッパとアメリカで活動している時計とジュエリー専門の流通会社です。100以上の店舗のうち53店舗はロレックス、48店舗はチューダーの店舗であり、ブヘラーの売上の3分の2を占めています。ブヘラーは2018年にアメリカ最大の時計小売業者トノー(Tourneau)を買収し、会社を大きく拡大しました。ロレックスは買収によるブヘラーの経営組織に変化はないと発表しました。
ロレックスの公式声明によると、ブヘラー家の事業を継ぐ直系の後継者がいないため売却を決断したとのことです。ロレックスの最も長い流通チャネルであるブヘラーの運営方式をロレックスが最もよく理解しているため自然な決定だという世論が形成されている中、事業的な側面でロレックスが介入するのかという疑問も高まっています。ブヘラー家の時計ブランド「カール・ブヘラー(Carl F. Bucherer)」がロレックスの系列会社になるのかも時計業界の関心事です。スイス現地の世論によるとロレックスとブヘラーは兄弟のような緊密な関係と認識されています。
ロレックスが直接運営する販売店は1店舗のみです。本社があるジュネーブの1つのブティックを除き、すべてのロレックス店舗は公認ディーラー(Authorized Dealer/Retailer)に卸売業務を任せるシステムです。ブヘラーのロレックス店舗が今後ロレックス直営のブティックに転換されるのかという疑問が生じています。コスト削減のためにブティック転換なしで小売マージンを確保するのか、ブティック化を推進してすべての販売プロセスを管理するのかについてはまだ明らかにされていません。

ⓒ watchpro
ロレックスの「認定中古時計」CPOプログラムが昨年12月から実施されました。そしてこの新プロジェクトに最初に参加した企業がブヘラーでした。リセール市場文化に悪影響を及ぼす懸念がありましたが、まだ大きな市場反応はありませんでした。しかし長期的な計画で有名なロレックスは今回の買収によって中古ロレックス時計を追跡し確保するための弾みをつけると予想されます。

ⓒ Kurier/Jeff Mangione
ロレックスは今やブヘラーが取り扱う高級ブランドのパフォーマンスをモニタリングできるようになりました。カルティエ、ジャガー・ルクルト、IWC、パネライなど有名なウォッチメーカーの売上や流通量を監視できる立場になったのです。ショップインショップ形式のブヘラーで好立地を巡って激しく競争するブランドの中で、ロレックスやチューダーにスペース活用のメリットを与えるのかも消費者や業界が注目するポイントです。
ロレックスのブヘラー買収のニュースがヨーロッパ株式市場に伝わった25日、イギリス・ロンドン証券取引所では両社の競合であるスイス時計グループの株価が1日で20.91%急落しました。

Watches of switzerland group 25日 ロンドン証券取引所の状況
スイス時計グループはロレックスをはじめカルティエやオメガ、タグ・ホイヤーなど高級時計を販売しています。時計業界に巨大な恐竜が誕生したことへの危機感を示しているのではないかと思います。
時計業界で最も注目されたニュースであるロレックスのブヘラー買収についてお伝えしました。今後の市場状況もモニタリングし、随時アップデートしてまいります。
Young
ライター
私の夢は時計王。